株式会社アルム(東京都渋谷区、代表取締役社長:坂野哲平、以下 アルム)は、アルムが開発・提供する医療関係者間コミュニケーションアプリ「Join」と患者リクルートメントソリューション「Enroll」が、足病変重症化予防のための地域医療連携システムである「足ケアナビ」に採用されたことをお知らせします。
■背景
国内における糖尿病患者数は増加傾向であり、厚生労働省によると2017年の糖尿病患者数は約329万人で、糖尿病が強く疑われる人と糖尿病の可能性が否定できない人は約2,000万人に上ると報告されています。また、糖尿病と診断された人の7割が合併症を有し、その割合は、神経障害がもっとも多く11.8%、次いで腎症 11.1%、網膜症 10.6%、足壊疽 0.7%という調査結果があります※1。これらの糖尿病の合併症の中で一番罹患率の高い末梢神経障害は日本では専門診療科が少なく、主治医による相談先が循環器科、血管外科、整形外科等に分かれてしまうため、専門施設への紹介が遅れる傾向にあります。それにより適切な治療が遅れた結果、重症下肢虚血に至り大切断(膝下や膝上の切断)となる患者も多く、重症化予防のためには多施設・多診療科・多職種での迅速な連携が非常に重要です。
この課題を解決するため、特定非営利活動法人「ICTでCOVID19による重症化から患者を守る会」(代表理事:社会医療法人敬和会 大分岡病院 創傷ケアセンター形成外科 松本健吾)が一般社団法人 日本フットケア・足病変学会(以下 日本フットケア・足病変学会)の会員様向けに展開する、多施設・多診療科・多職種における足病変重症化予防のための地域医療連携システム「足ケアナビ」において、アルムが開発・提供する医療関係者間コミュニケーションアプリ「Join」と患者リクルートメントソリューション「Enroll」が採用されました。一般社団法人 日本フットケア・足病変学会の会員様は、2021年8月~2023年3月末まで「足ケアナビ」として両製品を無償でお使いいただけます。
※1 厚生労働省「平成19年国民健康・栄養調査報告」 結果の概要「第1部 糖尿病等の状況」
■「足ケアナビ」の特徴
・Joinのチャット機能で、多施設・多診療科・多職種でのコミュニケーションを活性化
高セキュリティ環境下で、テキストチャットのほか、写真や動画を使用し、足病変に関する相談を主治医・コメディカルと専門医の間で、スマートフォン(iPhone/Android)やPC(Webブラウザ)から迅速に行うことができます。
・Enrollで伝達情報の標準化
伝達情報の標準化ツールとしてEnrollの相談項目チェックリストに情報を入力し、Enrollと連携するJoinのチャットグループで共有することにより、相談事項をわかりやすく伝えることができます。
■「足ケアナビ」の目的
・専門医の早期介入によるケアの適正化
リアルタイムに日本フットケア・足病変学会の会員である足病変の専門医へ報告・相談を行うことで、必要な検査や処方、ケア、創部観察に関するアドバイスを受けることができ、足病変の重症化予防につながります。
・専門施設への患者紹介の促進
適切な情報を基にした専門医の早期介入により、重症化前に専門施設への患者紹介が可能になります。それにより、最終手段である大切断に至る前の、血管内治療・バイパス術等の治療の選択肢が増えます。
■今後の展望
今後アルムは、「足ケアナビ」で得た知見を元に、日本全国の地域医療連携の促進を図り、ICTを活用した遠隔診療の基盤を整えていきます。また、「ICTでCOVID19による重症化から患者を守る会」と連携し、足病変に関する地域医療連携における公的保険収載も見据えた活動を展開していく予定です。
また、世界でも糖尿病患者数が増えている現状を鑑み、この取り組みを世界へ広げていき、日本の治療基盤をグローバルスタンダードとして広げていくことを目指します。
特定非営利活動法人「ICTでCOVID19による重症化から患者を守る会」の代表理事である松本健吾氏は、「医療業界は他の業種と比べてICTの導入が進んでいなかった側面があり、医療施設の連携にICTが使われるようになったのはごく最近のことです。折からのCOVID-19感染症の流行のため、特に基礎疾患を有する患者さんの中には、医療機関に受診するための外出も控える方が少なくありません。必要な受診をしないでいると多くの病気は重症化してしまいます。コロナ以外の病気においても重症化予防は重要なテーマです。JoinとEnrollのようなアプリケーションの利活用は、全ての病気において皆様の健康を守るための有力な手段になると期待されます。」と述べています。
■Joinについて
株式会社アルムが開発・提供する、医療関係者が高セキュリティ環境下でコミュニケーションをとることができるアプリです。標準搭載されたDICOMビューワーで医用画像を閲覧、チャットに共有することで、夜間休日などに院外にいる医師へのコンサルテーションツールとしての活用や、救急患者の転院の際の病院間連携・情報共有などに利用されています。日本ではじめて保険収載されたプログラム医療機器です。
(販売名:汎用画像診断装置用プログラム Join)
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■Enrollについて
Joinで培われた医療関係者間のネットワークを活かし、患者さんへの治験の案内と治験実施医療機関への紹介を促進する患者リクルートメントソリューションです。適格性判定チェックリスト(Enrollアプリ)と医用画像をJoinを経由して医療関係者へ情報共有し、患者の紹介・相談をサポートします。
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■会社概要
株式会社アルムは「すべての医療を支える会社(All Medical)」として、「Shaping Healthcare」をコーポレートメッセージに掲げ、ICTの力で医療の格差・ミスマッチをなくし、全ての人に公平な医療福祉を実現します。また、医療関係者間コミュニケーションアプリ「Join」を始めとした医療ICT事業では、グローバル展開に積極的に取り組み、日本発の医療ICT企業として累計28カ国へのソリューション提供を行っています。
○社名:株式会社アルム
○本社:東京都渋谷区渋谷3丁目27番11号祐真ビル新館2F
○代表:坂野 哲平
○設立:2001年4月18日
○資本金:1億円
○ホームページ:http://www.allm.net/
<本リリースに関するお問い合わせ先>
ソリューションについて
足ケアナビサポート窓口(平日 9:00~18:00)
Email:support_footcare@allm.inc
取材について
チームプラットフォーム部 広報担当:工藤
Email:press@allm.jp
報道発表資料に記載された情報は、発表日現在のものです。仕様、サービス内容、お問い合わせ先などの内容は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。