株式会社アルム(東京都渋谷区、代表取締役社長:坂野哲平、以下 アルム)は、代表取締役社長である坂野哲平が、神奈川県の新型コロナウイルス軽症・無症状患者の宿泊療養施設「湘南国際村センター」における療養患者のCt値(PCR検査値)推移に関するコホート研究の成果をまとめた論文「宿泊療養中の軽度COVID-19患者における症状別のCt値推移:前向きコホート研究(和訳)」を発表し、査読付英文学術誌である「International Journal of Environmental Research and Public Health」(Impact Factor:3.390(2020))に2021年8月2日付で掲載されましたことをお知らせいたします。

【論文の詳細】
論文標題:
Differential Kinetics of Cycle Threshold Values during Admission by Symptoms among Patients with Mild COVID-19: A Prospective Cohort Study(宿泊療養中の軽度COVID-19患者における症状別のCt値推移:前向きコホート研究)

雑誌名/発行年/巻号/頁/URL/著者:
International Journal of Environmental Research and Public Health, 2021, 18(15), 8181, https://www.mdpi.com/1214116
Teppei Sakano, Mitsuyoshi Urashima, Hiroyuki Takao, Kohei Takeshita, Hiroe Kobashi and Takeo Fujiwara

今回の論文について
アルムは医療ICTベンチャー企業であり、医療機器プログラムJoin(医療機器認証番号:227AOBZX00007Z00)を2015年7月にリリースして以来、世界累計28か国にて医療モバイルアプリを展開しています。一方、2020年初頭からのコロナ禍への対応の一環として、神奈川県の新型コロナウイルス陽性軽症患者の自宅・宿泊療養におけるICTモニタリングシステムを日本で初めて稼働させ、以降も同システムを1都4県に採用いただくことで、感染症対策のDxを自治体協働で推進してまいりました。

その経験をもとに、2020年6月に国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)による令和2年度 「ウイルス等感染症対策技術開発事業」に採択された「LINEと連携した新型コロナウイルス感染症自宅・宿泊療養患者向けSpO2測定スマホアプリモニタリングシステムの実証研究」(代表機関:株式会社アルム、共同研究機関:東京医科歯科大学 藤原武男教授)において、医療機関外での療養患者の重症化を防ぐための重症化予防アラートシステムの開発に向け、重症化の関連因子を分析するコホート研究を実施いたしました。

本研究では、神奈川県が提唱する、新型コロナウイルス軽症・無症状の患者を宿泊療養し経過観察をするという新たな緊急医療体制「神奈川モデル」において、宿泊療養施設に指定される湘南国際村センターで療養中の患者さん121名にご協力いただき、療養開始(入所)から療養終了(出所)までのPCR検査値(Ct(Threshold Cycle)値)、および療養終了後の予後を前向き観察研究として実施したものです。患者さんは毎朝起床時に自身で体温、酸素飽和濃度(SpO2)、呼吸数、脈拍数および症状を、アルムが開発・提供する救命・健康サポートアプリ「MySOS」から登録し、定期的にPCR検査(唾液、尿)と嗅覚テストを実施しました。患者情報はアルムが開発・提供する多職種連携ソリューション「Team」で一元管理され、患者さんの状態を医療関係者が確認し、医療関係者間で連携できる環境を提供しました。

本研究の結果、ウイルス量とCt値が関連していると仮定し、下記仮説が導き出されました。
(1)症状のある患者や発熱した患者では、無症状の患者よりもウイルス量が安定して減少する
(2)嚥下障害のある患者ではウイルス量が少なく、頭痛のある患者では多い
(3)退所時にIgG陽性の患者ではウイルス量が少なく、IgG陰性の患者では多い

今後はこれらの研究成果を、アルムが開発・提供するモバイルアプリを活用したリモート健康モニタリングソリューションにおいて活用することで、自治体による新型コロナ感染症患者のシームレスな遠隔サポートに貢献いたします。

関連プレスリリース:
アルム、モバイルアプリを活用したリモート健康モニタリングソリューションを提供拡大 〜自治体・医療機関・医薬品開発での活用を加速〜

■MySOSについて
アルムが開発・提供する、自身や家族の健康・医療記録を行い、救急時などのいざという時にスムーズな対応をサポートするアプリです。健康診断結果やMRI・CTなどの医用画像をスマホで確認することができるので、PHR(Personal Health Record)としても活用でき日々の健康管理に役立てることができます。
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■Teamについて
アルムが提供する、医療・介護サービスをシームレスに繋ぎ、多職種連携をサポートするソリューションです。タブレット端末で申し送り事項や利用者状況などを記録し、Teamクラウドシステム上で多職種間でのリアルタイムな情報共有を可能にすることにより、スムーズな多職種連携を実現します。
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■会社概要
株式会社アルムは「すべての医療を支える会社(All Medical)」として、「Shaping Healthcare」をコーポレートメッセージに掲げ、ICTの力で医療の格差・ミスマッチをなくし、全ての人に公平な医療福祉を実現します。 また、医療関係者間コミュニケーションアプリ「Join」を始めとした医療ICT事業では、グローバル展開に積極的に取り組み、日本発の医療ICT企業として累計28カ国へのソリューション提供を行っています。

○社名:株式会社アルム
○本社:東京都渋谷区渋谷3丁目27番11号祐真ビル新館2F
○代表:坂野 哲平
○設立:2001年4月18日
○資本金:1億円
○ホームページ:http://www.allm.net/

<本リリースに関するお問い合わせ先>
株式会社アルム チームプラットフォーム部
広報担当:工藤
Email:press@allm.jp


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